「あー!パパ!!」
「ママー!!」
「あ、こら!」
「ダメだって!!」

そのまま抱き合っていた夫婦は聞き慣れた声と、マネージャーとバンドメンバーの諫める声にに一瞬視線を合わせ、その声の方に振り向く。
しかし振り向く途中で、声の主は視界に入ってきたため、途中から視線は自分たちの足下に方向転換された。

「ママ!おつかれさまでした!」
「パパもパパも!」

2人の小さな子供達は両親の状態お構いなしにそれぞれの足下にしがみつく。
それぞれの足下でキャッキャッと騒ぐ彼らをの姿を確認した夫婦は、目配せをしてそれぞれの腕に抱きすくめる。

「ただいまー淙ちゃん!イイ子にしてた?」
「うん!せいちゃんとクリスマスのおはなししてたのー!」
「セイはソウとラブラブだったか?」
「うん!ラブラブー!!」

家族の仲良さ気なシーンがその場で展開され、周りのムードは和やかになった。
その子供達をあやす最中で慎は玲のマネージャーとメンバーに目をとめる。

「・・・・・で?」

親子の周りの空気は変わらないままなのに、慎から視線を受けたデバガメは凍り付いた。

「で・・・・って、な、なぁ?」
「お、おう!」
「オレらは、ただ、慎を探しに・・・・」
「そうです!ボクも玲とスケジュールの確認を・・・」

しどろもどろで答える彼らに慎はかなり冷たかった。

「後にしろ。バカヤロー共」
「にしろー!」
「こら、せいちゃんダメよ。そんな言葉使っちゃ。」
「はーい。」

晶志がマネをしてもデバガメ隊の空気は解けることはなく、慎の視線にさらされる。

「「「「失礼しましたー・・・・・。」」」」





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